
今月は透析患者さんの40~70%の方がなると言われている便秘についてです。
便秘と言っても原因も対策も様々です。
便についてよく知り、一人ひとりに合った対策の参考になればと思います。
食べたものは胃や腸などで消化吸収されますが、そのうち水・食物繊維は小腸で吸収されずに大腸まで届き、便の材料になります。
| 水分(約75%) | → | 水分が70%で硬い便、80%で下痢便となります。 |
| 食物繊維(約10数%) | → | 便の骨格として働く。カリウム制限のため、野菜が少なくなりがちな透析患者さんは不足傾向です。 |
| 腸内細菌等(約10数%) | → | 悪玉菌が多くならないように腸内環境を整えることが重要です。 |
透析患者さんが便秘を起こしやすいのは、次のような原因が考えられます。
などがあります。
| 便の性状 | 硬い | 便の量 | 少ない |
|---|---|---|---|
| コロコロ便 | 便の出かた | 途切れ途切れ | |
| 色が濃い(黒褐色) | 時間がかかる | ||
| 臭いが強い | 糞切れ | 悪い | |
| 便器に付着して流れない | 排便後の感覚 | 残便感がある | |
| 紙にたくさんつく | 解放感・爽快感がない |
カリウム制限のため、大量に野菜や豆類、芋類などを摂ることができないので食物繊維不足になりがちです。
食物繊維が多く、日常で買いやすい食品の例を挙げます。
野菜は水さらしや茹でこぼしを行いましょう。
| 食品 | 食物繊維量(g) | 食品 | 食物繊維量(g) |
|---|---|---|---|
| 食パン6枚切り1枚 | 1.4 | 大豆(茹で)70g | 4.9 |
| スパゲティ(茹で)230g | 3.5 | 納豆1パック40g | 2.7 |
| そば(茹で)200g | 4.0 | おから100g | 9.7 |
| ごぼう70g | 4.0 | ブロッコリー70g | 3.1 |
| 春菊1束80g | 2.6 | 枝豆(冷凍)10さや | 2.2 |
| ぜんまい70g | 2.7 | 菜の花70g | 2.9 |
○食事での補給が難しい場合は、食物繊維の補助食品を利用する方法もあります。
乳酸菌飲料での摂取やビフィズス菌等の健康補助食品で補給する方法もあります。
ヨーグルトなど乳製品はリンが多いので、頻度や量を調整しましょう。
食事の量が減ってくると便の材料も減り、便秘に。主食やおかずは減っていませんか?
ご飯は食物繊維こそパンより少ないものの水分が含まれており、量も多いので便の良い材料になります。
便秘の方は食事の量を振り返ってみましょう。
冷たい水を飲んで腸の動きを活発にさせましょう。
欠食は便の材料を少なくさせるだけでなく、「食べる」ことが腸を動かすチャンスとなるため、そのチャンスを逃していることにも繋がります。
1日3食規則正しく食べるようにしましょう。
下剤の処方・変更など医師やスタッフに相談しましょう。
また、お腹のマッサージをしたり、ウォーキングなどの運動も効果的です。
参考文献:協和発酵キリン株式会社発行「透析患者さんの便秘症とその対策」